いくつかミラーレスカメラを使用していますが、スチル(写真)撮影が主な使用用途。
ですが、たまに綺麗な景色などを動画でも残したくなる時があります。また、自然の環境音も一緒に綺麗に録りたいな〜と思っていました。
最近のカメラは内蔵マイクも性能が良くなっている物も多いそうですが、やはり音の指向性(音の録れる向き)や、風切り音等も考慮して専用のマイクを購入してみました。
それが2024年2月に発売したばかりの新製品ZOOM H1 Essential。
FUJIFILM X-S10の内蔵マイクやゼンハイザーMKE200との簡易的な比較もしてみました。初心者のため、厳密ではないことをご了承ください。
ZOOM H1 Essential (ZOOM H1e) 32bit フロート ハンディレコーダー
まず基本的なスペックはこちら
- XYステレオマイク搭載、ステレオ仕様の32bitフロートレコーダー
- ゲイン調整不要で音割れしない、後編集でも音質が劣化しない32bitフロート録音
- 耐音圧120dB SPL、ステレオ指向角90°のXYマイク
- 最高96kHzサンプリング/32bitフロート
- 録音中の音声をリアルタイムに波形表示する有機ELスクリーン
- 単4電池2本、ACアダプタ(別売AD-17)またはUSBモバイルバッテリーで駆動
- 単4アルカリ電池2本で約10時間駆動
32bit フロート対応のため、ゲイン調整による音割れがありません。
ですが搭載マイク自体の性能限界による音割れはあり、最大で耐音圧120dB SPLまでとなっています。
ちなみに、今回Amazonアウトレットので状態新品に近いが売っていたのでそれを購入しました。Amazonアウトレットは何回か購入してますが、今のところ全て状態いいですね〜
本体外観
本体は樹脂でできていてプラスチッキーな感じですが、個人的には凄いチープとも思わず、価格を考えると結構良いクオリティです。さらにメリットとして、とても軽量です。重さは電池込みで計測したところ96gでした。
簡易的にですが、音の比較もしてみました
はじめに、こういったマイクの使用は初めてなのでその点をご了承ください。
ZOOM H1 Essentialの録音データは生成されたデータそのままだと結構ボリュームが小さいです。ノーマライズ(音量調整)する機能は本体にも搭載されています。ただ、録音時間と同じくらいの結構な時間がかかります。
今回ノーマライズ処理前と処理後の2つの音源があります。2つの音源に音量差があるため、ボリュームに気をつけてください(ノーマライズ前に合わせていると他が大きいです)。
うーん、どうなんでしょうか。こういったマイクはゼンハイザー MKE200含めて今回初めて使ってみたのでわからないのですが、個人的には意外とX-S10の内蔵マイクが綺麗に感じました。指向性の違いなどもあるのでしょうか。
ZOOM H1 EssentialはMKE200と比べると圧倒的に音質良く聞こえると感じますね。
ミラーレスカメラ等と接続したマイクとしても使える
このハンディレコーダーは上述したように本体で単体録音した場合32bit Floatという音割れの心配の少ない、最新の録音方式で使用できます。
もしくは、マイク端子があるカメラと接続して一般的な外部マイクとしても使うこともできます。ですがその場合は32bit Float録音ではなく、ZOOM H1 Essentialは拾った音をカメラに流すだけなので、カメラ側の記録方式次第という事になります。
カメラと接続する場合こういったケーブルを使用します。普通の3.5mmケーブルであれば他のものでも使えますが、ジャマになりにくいカールタイプのものがおすすめです。
私は上記のRODE製SC2というケーブルを購入しました。2024年6月時点での購入価格は1700円程でした。
OM SYSTEM(旧オリンパス)からも出ているのを発見しました。こちらの方が安いですね(2024年10月執筆時点1080円程度)。
ZOOM H1 Essentialのラインアウト端子とカメラのマイク端子に接続することでカメラの外部マイクとして使用できます。
一緒に買ったアクセサリー
今回本体以外にウインドスクリーン(風切り音防止)、コールドシューアダプター(カメラに固定するため)、3.5mmケーブル(音声接続するため)の3点購入。
ZOOM ヘアリー ウィンドスクリーン WSU-1
ウィンドスクリーン WSU-1はこんな感じで私が購入した時点(2024年6月)では1700円程度販売されていました。
実際に装着してみるとこんな感じ。なんだか毛も長くもふもふとしていて動物っぽい感じですが評判通り結構風切り音を防いでくれます。
RODE SC2 3.5mm TRSケーブル、Small Rig コールドシューアダプター
上記2つのアクセサリーはカメラと接続して使うために購入しました。ケーブルは上述したようにカメラのマイク端子との接続用。右のコールドシューアダプターはカメラのシューマウントにマイクを固定するためです。
ですが、このシューアダプターは失敗しました。
カメラに装着している写真はうっかり撮り忘れてしまったのですが、H1 Essentialの三脚ネジ(1/4インチサイズ)にこのシューアダプターを利用してカメラのシューマウントに固定しようと考えたのです。
実際に想定通りできましたが、このシューアダプターは固定力が弱い?のかわかりませんが、少しマイクに触れただけで2〜30度程度ずれてしまったりしてしまうため実用に耐えませんでした。
更にこれは製品の問題ではありませんが、H1 Essentialの三脚ネジは真ん中にあるため、そのままこのシューアダプターを使ってカメラに固定するとマイクが出っ張るためファインダーが確認できなくなります。
カメラのシューマウントから少し延長してくれるこんな感じのシューアダプターがいいのかもしれません。
気になる点:ノーマライズに時間がかかる、タッチノイズが入りやすい
一番気になる点は、個人的には本体内でのノーマライズに時間がかかりすぎるところです。録音時間と同等以上、変換に時間がかかる上、生成されたデータそのまま(ノーマライズ処理前)ではボリュームが小さすぎる場合が多いため、ほぼノーマライズは必須。
32bit Floatではない普通のレコーダーやマイクの場合事前にゲイン調整をするため適正な音量にすることができるため、録音データの使用用途によっては24bitの普通のレコーダーの方が手間がかからないかもしれません。
本体でのノーマライズは時間がかなりかかります。なので、本体やPC含むノーマライズ処理が面倒と感じない人や、面倒な設定なしで録音しても音割れしないデータがほしいという方には向いています。
また、本体が樹脂で出来ていて、マイクを持っている手を少し動かしただけでも盛大にノイズとして乗ります。実際ほぼ動かしていなくてもわずかにノイズになったりするので、直接持ちながらの使用は極力控えたほうがいいかもしれません。
カメラや、こういった三脚に固定して本体に触れずに使う方が、ちゃんと録音したい時はいいかもしれませんね。
まとめ
32bit Float対応ですが、ゲイン調整できないことで音量が小さめに録音されるため、ノーマライズ必須であり本体内機能でのノーマライズ処理も時間がかかるのは気になります。
ですが、やはり何も面倒なセッティングなしでいきなり録音しても音割れの心配なく、それなりの音質で録れているというのは、今までの製品カテゴリーになく、画期的だと思いました。
軽量、小型、安価であり、パッと録音して失敗なしというのが全体の使いやすさとしてよく出来ている製品かと思います。